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ブース概要
楽しくゲームを作ろう! 「COOKPOT!」、「expedition」、「のっぽの金づる」、「FakeLover!」などのゲームを制作/発売しました。 企画からアート、制作まで独自に開発します。 (ゲームマーケット2023春にはサークル「木星文庫」も合同ブースとして参加します。)
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YouTube
https://youtu.be/gtAiMiSPP9k
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- ロンドンの怪物たち
- 木星文庫は太陽系内の木星に位置するインディパブリッシャーです。 (そうなので恐れ入りますが日本語には慣れません...) 「果てしなく厚いガス雲の中、限りなく内密な楽しさ」を貪ります。 地球だとなかなか人気がなさそうなゲーム、図書、レコードなどを想像し、時には出版したりします。 「木曜日だった者」は、「アナキスト」と「警察」の対立を中心に展開します。 これらは相互に排他的な勢力として、 相手より多くの地域をコントロールするために競争します。 ミッションに成功するたびに各エリアには白または黒のコントロールキューブが配置され、 これらのバランスによってエリアをコントロールする勢力が決定されます。 一方、これらの間には別の目標によって動く勢力が存在します。 まず、「ミダスの手先」は勢力間の対立そのものを原動力としています。 彼らは色とは関係なく、コントロールキューブが3つ配置された地域をコントロールします。 つまり、「アナキスト」または「警察」と同時に地域をコントロールすることができます。 「ミダスの手先」は時間がゆっくり流れるほどその威力が強くなるため、 時にはミッションを隠蔽したり、日付ディスクを素早く移動させて彼らを牽制する必要があります。 次に「怪しい友人」は4人プレイ時のみ参加する勢力であり、 正確に2つの勢力がマジョリティで同点で勝利した時に彼らと一緒に勝利します。 「怪しい友人」は何よりもバランスを誘導する必要があるため、 毎瞬間の状況に応じて支援する勢力をうまく選択する必要があります。 同点の場合、タイブレークのために秘密エージェントの監視数値を比較することになるので、 各プレイヤーは地域コントロールだけでなく、 エージェントの管理と推理にも注意を払わなければなりません。 このように所属する勢力によってプレイの様相が変わるので、 毎回少しずつ違った感覚でゲームを楽しむことができます。 1人プレイの場合、プレイヤーは「警察」になり、 架空の「アナキスト」プレイヤー「グレゴリー」を倒す必要があります。 (もちろん、気分次第で「アナキスト」の味方になって「警察」を相手にしても構いません) 原作小説には「アナキスト」と「警察」以外に第3の勢力が登場しませんが、 私は小説の中の「日曜日」の霧のように曖昧なアイデンティティを 「怪しい友人」という勢力に反映させたかったのです。(なぜか20世紀の少年を思い出しますね。) また、「ミダスの手先」はジャック・ロンドンが書いた同名の小説から借用した名前です。 この勢力はどのような性格でも規定できない資本主義社会の怪物であり、 ゲーム内ではますます大きくなっていくその影響力を通じて存在感を示します。 エリアマジョリティに集中すれば単独で勝利することもできますが、 様々な変数のためにいくらでも同点が発生する可能性があるため、 エージェント管理を無視することはできません。 <木曜日だった者>では、プレイヤーは常にこの点を考慮して最善の選択をする必要があります。 ぜひ、このようなジレンマをできるだけ大きな混沌の中で楽しんでいただければ幸いです。 詳しい情報はリンクから確認できます。LINK
- 2023/3/30 16:21
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- 悪夢への招待状
- 木星文庫は太陽系内の木星に位置するインディパブリッシャーです。 (そうなので恐れ入りますが日本語には慣れません...) 「果てしなく厚いガス雲の中、限りなく内密な楽しさ」を貪ります。 地球だとなかなか人気がなさそうなゲーム、図書、レコードなどを想像し、時には出版したりします。 「木曜日だった者」はG・K・チェスタトンが書いた同名のミステリー小説からインスピレーションを得たゲームです。 原題は「The Man Who Was Thursday: A Nightmare」で、 日本には『木曜の男』、「木曜日だった男: 一つの悪夢」などのタイトルで紹介されています。 チェスタトンの代表作である「ブラウン神父」シリーズに比べると、 名前があまり知られていない作品だと思います。 作品のあらすじを簡単に要約すると、次のようになります。 作品を読んでみる予定の方にはネタバレになることもありますので、ご注意ください。 主人公ガブリエル・サイムは詩人であり、ロンドンの秘密警察です。 彼は任務遂行中に偶然の事件に巻き込まれ悪名高いアナキスト秘密結社に新しい「木曜日」として偽装加入することになります。 結社は超人のような容貌の総裁である「日曜日」と各曜日を代表する委員で構成されます。 「日曜日」の意により、他の委員はロンドンに混乱を引き起こすテロ計画を立てます。 主人公は自分の正体がばれることを恐れながらも、密かに爆弾テロを防ぐために孤軍奮闘します。 その過程で「金曜日」が主人公を疑って二人は葛藤を生じさせますが、 結局「金曜日」も秘密警察という事実が明らかになります。 これに対し二人は同志になって他のアナキスト委員を一人ずつ除去していこうと思います。 ところが委員たちを処理しようとする度に決定的な瞬間に相手も秘密警察だという事実が明らかになります。 実は「日曜日」を除くすべての委員が警察だったのです。 勇気を得た委員たちは「日曜日」を破るために作戦を行うが、むしろ市民の攻撃を受け、 自分たちを除く世の中皆がアナキスト勢力になったようだと絶望します。 そして絶体絶命の瞬間、彼らは「日曜日」が過去に自分たち皆を秘密警察に任命した神秘的な高位職ボスであることを知ることになる。 みんなを迎えた「日曜日」はこう尋ねます。「汝らは我が飮む酒杯を飮み得るか?」 作品はサスペンスあふれる展開の末、掴み所のない結末に仕上がります。 これは作品の副題である「悪夢」そのものとも同じです。 初めてこの作品を読んだとき、私はその圧倒的な混沌に強く惹かれました。 そしていつか作品特有の雰囲気を違う形、例えばゲームや音楽で再現してみたいと思いました。 よろしければ、そのような作業を一種の読書感想文と呼ぶこともできるでしょう。 時間が経ち、私はこのように自分が書いた読書感想文をゲームの形で紹介しています。 結局、このゲームの出発は規定可能なメカニズムではなく、規定不可能な混沌だったわけです。 もちろん私は混沌そのものをゲームで具現する自信がないので、 ゲームとしての完成度のために多様な要素を融合しました。 その過程で正体隠匿やレーシングがゲームの中心にもなりましたが、 最終的にはパズル、エリアマジョリティ、推理が中枢的な役割を果たすようになりました。 興味深いのは、開発段階でこのゲームをプレイした複数のテスターからのフィードバックでした。 同じプレーでも完全に相反する方向のフィードバックが共存していたのです。 考えてみると、それはテスターがこのゲームで期待したり見つけたりした 楽しみのポイントがすべて違うからだったと思います。 そのような混沌をきれいに取り除けなかったのはデザイナーとしての私の限界かもしれませんが、 もしかしたらこのゲームの宿命のようなものかもしれません。 さて、小さなファブリックボードの上に再現した悪夢、 あるいは奇妙な夢の中のロンドンに皆さんを招待します。 原作小説の最後の台詞を少しひねって招待状を締めくくります。 「汝らは私が楽しんだこの悪夢を楽しむことができますか?」 詳しい情報はリンクから確認できます。LINK
- 2023/3/24 11:49
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