EVOQ! @StudioEVOQ
ファンタジーの世界観をモチーフにした対戦型ボードゲーム、EVOQ!(イボーク)の販売・試遊を行います。
運の要素を一切含まない、チェスや将棋のようなゲームです。
モンスター召喚や魔法といったファンタジー要素をベースに、転送装置でモンスターが合体するなどSF映画風のギミックを加味した独特のゲームシステムが特徴です。
実際にプレイしていただかないと魅力が伝わり辛いゲームかと思いますので、一度手に取って遊んでいただければ幸いです。
- 【基礎講座4】EVOQ!のゲームメカニクス【禁則事項編】
- 2025/5/6 6:07
ボードゲーム EVOQ!のゲームメカニクスについて解説させていただきます。といっても今回はニッチなテーマ、千日手を回避する禁則ルール(反復無効)についてです。
千日手とは
「千日手」とは、将棋やチェスなどのアブストラクトゲームで両プレイヤー同士が同じ手を繰り返してエンドレス状態になる現象のことです(リバーシのように構造的に千日手が発生しないアブストラクトゲームもあります)。
それでは困るので、ゲームごとにこの問題を回避するための特例的ルールが設けられていて、たとえば将棋では同じ局面が4回繰り返されると再試合(連続王手の千日手は即負け)になり、チェスでは3回繰り返した時点で引き分け終了となります。
EVOQ!でも、将棋やチェスのようにゲーム中に全く同一の局面を繰り返すことがありえます。そのため、全ての駒の配置と行動が以前の手番と全く同じになることを「反復行為(repetition)」と定義し、禁則ルールを設けています。
反復無効の呪文
このゲームでは、反復行為をしたプレイヤーに対して「リバート」(revert/英・動詞/戻る・復帰するの意)と告げると、告げられたプレイヤーは反復行為をしないように差し手を変更しなければなりません。申告制にしている理由は、プレイの後で反復行為に気付いた場合に揉めないよう、その場で申告がなければゲーム続行という原則を明示するためです。
リバートの戦術的利用
将棋やチェスなどの古い歴史を持つゲームはもともと千日手を想定せずに発展してきた経緯があり、できるだけ千日手を存在しないものとしてゲームを成立させたいという意図が対処ルールにも反映されているのだと思います。プレイヤー側の視点では話は別だと思いますが、千日手が発生すると再試合や引き分けになるというルール設計からは、千日手の処理で勝敗が決まるのは避けたいという意識が見て取れます。
その点、このゲームにおける「反復行為」は将棋などの千日手とは趣がやや異なります。何度も繰り返すまでもなく1度でも重複があれば成立し、なおかつ王手に関する禁則もなく、ゲームが(再試合や引き分けで)中断されることもありません。
ルール設計上の思想としては、「ルールブックに書かれている以上、アイデア次第でプレイヤーの武器として利用するのはウェルカム」というスタンスです。
ただし、このルールを厳格に運用するなら初手からの棋譜を全てチェックする必要がありますが、日常的な対戦でそこまでするのは大変なので、初手からの棋譜を全て暗記できる超人的な記憶力の方がいたら、リバートをガシガシ使うようなプレイはTPOに応じてやっていただけたらと思います。