空葉堂(KUYODO) Silentalk_Spiel
こんにちは! 空葉堂(KUYODO)と申します。
ふだんは東京都新宿区で空葉堂書店という本屋さん運営等をしております。ゲームマーケット2025秋では『黙談-Silentalk-』を、販売させていただきます。協力ゲームで、コミュニケーション制限系で、150以上のパズルミッションが楽しめます。皆さまとお会いできますことを楽しみにしております☺️
- 読む遊び 📣『ボ哲の紙+術語スケルトンパズル』 ボドゲを語る言葉の引き出すを増やす読書ゲーです☺️
- 2025/11/20 19:14
コンポーネントは書き下ろしの本📕 ここに1人用ワードパズルを組み合わせました。
これまでになかった不思議でユニークなゲーム体験ができます😊

『ボ哲の紙』目次
本書の目次の一部をご紹介しますと——
🔹なぜボ哲は「読む遊び」なのか
合目的でない / ルールが存在し、そして自由 / 言葉の仮想的な盤上遊戯
🔹盤上の環境管理型権力
規制と創造性は裏表 / ゲームデザイナーは建築家 / 規制と逸脱の緊張関係
🔹レビューの「星」問題
「星」の意味は恣意的である / レビューに潜む、感情と指令 / 「星」が参加する「言語ゲーム」
🔹「デザイナーらしさ」って、どこからくる?
面白さの「元型」 / 「面白さ」の文化的な偏り / 暗闇の中での跳躍 / 「らしさ」のありか
などなど。
目次の全容は以下をご覧ください☺️

気になるタイトルはありましたか?
一つでも「おや?」と思うフレーズがもしあったなら、それが、この新しいゲームへの入り口です🙌
あるいは、「なんだか難しそう…」
もしかするとそんな印象をお持ちになるやもしれません🙏
いつだったか私が初めてボードゲームに誘われてルールを聞き始めたとき、同じように最初に思ったのが「なんだか難しそう…」だったんですよ。が、今では重量級ゲーム沼へも誘う側で、「案外、やってみたら楽しいと思うよ!」とつい、言ってしまいます。哲学もボードゲームも似たようなものかもしれません。
『ボ哲の紙+術語スケルトンパズル』は、哲学や人文学といった「私たち」に関することを語るときの言葉を使って、さまざまな側面からボードゲーム全般について新たな記述を試みた上で、1人用向けパズルゲームとして遊べるようにしよう!というプロジェクトです。
どうか「難しそう」で周り右せず、少し立ち止まって、このいくつかのフレーズを味わってみていただけると嬉しいです。
このゲームを特にお手にとって欲しい方
🔶 普段ボードゲームを遊ばれる方
——「なんてこのゲームは面白いんだ!」その直感を、新たな言葉で語るためのヒントとなります。あなたの、その個人的な体験を誰かに伝え、共に遊ぶ仲間を増やしたい、あるいは仲間との体験をより豊かに分かち合いたいと願う方へ。
🔶 最近ボードゲームに興味を持った方
——これから出会うであろう、多様で広大なボードゲームの世界を旅するための、ユニークな道しるべを手に入れることができます。
🔶 SNSでの不毛な論争に、少し疲れてしまった方
——なぜ、私たちの言葉はすれ違ってしまうのか。その背景にある構造を、少し引いた視点から冷静に分析するための道具をご提供します。感情的な応酬や冷笑の嵐から距離を置き、ご自身の「好き」や「推せる」みたいな気持ちを、静かに見つめ直すための思考のシェルターになるかもしれません。
🔶 ゲームを紹介するメディア(YouTuber、ブロガー、レビュアー)の方
——ご自身のレビューや動画に、これまでとは一味違う、批評的な「切り口」を与えてくれます。ゲームを語る言葉の引き出しを、一気に増やすことができます。
🔶 ボードゲームカフェの運営者やスタッフの方
——お客様が「楽しい!」と感じる、その「楽しさ」の背景にある構造を、様々な言葉で理解することができます。ゲームのルール説明だけでなく、文化的な「体験」そのものをデザインしているという、ご自身がつくる場の価値を再発見させてくれることでしょう。
🔶 ボードゲームをデザインする方
——ご自身の創作活動や広報活動に、哲学や人文学という「コンポーネント」を導入するきっかけになります。ゲームや遊びがもたらすダイナミックな体験をデザインするための視野を大きく広げます。
このゲームの詳細
(以下は、本書『ボ哲の紙』より序章の抜粋です。オレンジ色でハイライトされた箇所は、術語スケルトンパズルで用いる候補ワードです。)
◎ はじめに
AIの時代、「人間」の輪郭が、また大きく揺らぎ始めました。
画面の向こうからの応答は人間なのか? それとも人間のように見せかけた何かなのか?
人間でなかったとして、何か不都合があるのか?
このような人間と非人間の境界の揺らぎは、目新しいテクノロジーが出現し、それが無視できないほどの大勢に認識されたとき、いつも起こります。活版印刷が登場したときも蒸気機関が登場したときもそうでした。
今回のAIの隆盛も、私たちの自己観や、他者との関わり方を根底から問い直すような、大きな地殻変動です。
この大きな問いの前に、目の前のテーブルに視線を向けると、変わりなくそこにはボードゲームがあります。
変化の中、それでもボードゲームに魅力を感じるのは、このテーブルを囲む空間に、人間的な営為が凝縮された類稀なる実験場だからのように思えてなりません。
そこには、ルールと自由が、協力と裏切りが、論理と偶然が、無言と会話が常に戯れています。
SNSに目をやれば、しばしばすれ違う言葉が不毛な対立を生み、解消されない澱だけを残して日常に溶けていきます。私たちは、そこで起こっていることの豊かさや複雑さを語るための、適切な「語彙」をまだ十分に持ち合わせていないのかもしれません。
このささやかな試み、『ボードゲーム哲学(ボ哲)』は、そのための新しい言葉を探す一種のゲームです。
コンポーネントは、人文学、倫理学、美学、精神分析学などの、今すぐには役に立たないかもしれない、しかし人間を人間たらしめてきた知の蓄積です。
ボードゲームをもっと面白く、そして共に遊ぶ仲間と、もっと豊かに楽しむために。このコラム群が、あなたのゲーム体験と日常を、ほんの少し違った角度から照らす光となることを願います。
◎なぜボ哲は「読む遊び」なのか
・合目的でない
各コラムは、「ビジネススキルを向上させる」とか「より良いコミュニティを作る」といった、直接的な「有用性」を目的としていません。もちろん、結果として、あなたのゲーム体験――あるいは遊びの体験――や日常が豊かになることは心から願っています。しかし、それはあくまで副次的な結果です。
つまり、「有用だから、読む/遊ぶ」ではなく、「読んだら/遊んだら、有用だった」なメディアです。言い換えるならば、また、すべてのボードゲームがそうであるように、自己充足的な営みとしてのメディアです。
・ルールが存在し、そして自由
ボ哲は、完全に自由な連想ゲームではありません。ここには、先人たちが築き上げてきた「哲学や人文学というルール」が存在します。たとえばカントの概念を、功利主義の文脈で語ることはできません。それぞれの言葉には、守るべき定義と文脈があります。
しかしこのルールの制約の中で、私たちの思考は、新たな発見へと向かう自由な遊びを開始することができます。例えば、コラム「ガチャの倫理」では、ガチャや運の概念を、メリトクラシーやロトクラシーといった、異なるルール体系の中で捉え直す遊びを試みています。
・言葉の仮想的な盤上遊戯
Webサイトで公開している「ボ哲」は、始まりも終わりもない、言葉の盤面です。一つ一つのページは思考の断片ですが、ページ内のハイパーリンクは、あなたを別の文脈へと誘い、そこに定められた道筋はありません。そのネットワークを自由に漂い、あなただけの「一手」を打っていく体験は、まさに「読むボードゲーム」と呼ぶにふさわしいものでした。
では、あなたの手の中にあるこの『ボ哲の紙』は、どうでしょうか。
この小冊子には、Webサイトのような無限に広がるリンクはありません。ページには順番があり、始まりと終わりが定められています。それは、著者によって思考の道筋が示された、一つの閉じた世界です。
しかし、それは「遊び」の可能性が失われたことを意味しません。Webサイトが、読者自身の探求によって完成する「拡張の遊び」だとすれば、この小冊子では、「読む遊び」が、また別の姿となって立ち現れるのです。
一つは、著者との対話という遊びです。Web版がプレイヤー――読者であるあなた――の自由な探索に重きを置くオープンワールドゲームだとすれば、この小冊子は、デザイナー――つまり、著者――が構成したシナリオを味わうストーリー的なゲームと言えるかもしれません。物理的なページをめくる行為は、著者が提案する論理の道を一歩ずつ進み、その思考と静かに対話する、あなただけの「一手」となるでしょう。
もちろん、この小冊子に書かれた著者の思考や嗜好は、絶対的なルールを強いるゲームマスターの声ではありません。むしろ、ここには互いに応答し、継承し、批判し合う、数多の思想家たちの声が響き合っています。この小冊子は、著者自身もその声の一人に過ぎない、ということを示すための、一つの閉じた魔法円なのです。
そしてもう一つ、より具体的な遊びが、この本の最後に付いています。「術語スケルトンパズル」です。
「術語」とは、いわゆるテクニカルタームのこと。ある専門分野で、物事を精密に語るために使われる、特別に定義された言葉を指します。
各コラムの中で「術語」として意味をまとっていた言葉たちは、このパズルの中で一度その意味を剥がされ、文字数と形だけを持つ、単なる記号のコンポーネントへと解体されます。本来は接続しないはずの言葉と言葉が、盤面の上で交差し、絡み合う。このパズルを解くという行為は、直線的な「読む」という体験を、空間的な「配置」のゲームへと変奏します。
Webの盤面が思考を「拡張」させる遊びだとすれば、紙の盤面は、思考と「対話し、戯れる」ための、また別の遊びなのです。
「合目的でない」こと、「ルールの中の自由」があること、そして「言葉と戯れる盤面」があること。
これらが、私たちが「ボ哲」を、単純な読み物ではなく「読む遊び」と呼ぶ理由です。
この小冊子を手に取ったあなたが、ページをめくり、言葉を味わい、そしてパズルに頭を悩ませるその時間そのものが、一つの豊かな「遊び」の体験となればいいなと思っています。
ゲムマにてお待ちしております!
この小冊子『ボ哲の紙』は、必ずしも一気読みする必要はありません。
ワードパズルを一息に全部解かなくったって構いません。
ボードゲームが楽しかった日の夜、眠る前に。
あるいは、日々の喧騒の中で、少しだけ深く思考したいと感じたときに。
ふと本棚から手に取って、気になるコラムを拾い読みしたり、スケルトンパズルのマスを一つ埋めてみたり。
そんなふうに、あなたの日常の傍らに、この「紙の上の遊び」を置いていただけたなら、望外の喜びです。
🔗 ボ哲X(旧Twitter)アカウント: @Spiel_humanitas
ゲームマーケット2025秋は1日目、11/22(土)のみ、私たちは出展いたします。
ブース番号は、【X-02】、ブース名は、「空葉堂(KUYODO)」です。
会場であなたとお会いできることを、楽しみにしております☺️
『ボ哲の紙』#ゲムマ2025秋 で販売いたします。
— ボードゲーム哲学【土-X02】ゲムマ2025秋🍠 (@Spiel_humanitas) November 9, 2025
このAI全盛時代、「ボドゲを語る言葉」の引き出すを増やす試みです。手がかりは哲学。本文88ページ、内105語を使った1人用ワードパズルが付属し、知を解体する遊びが同居します。
🧩お取置き予約
🔗https://t.co/Fcgnzo8Nb2#ゲームマーケット2025秋 https://t.co/PwtHeH8dXW pic.twitter.com/vOVM2aJ7A2
これは身内にさえ伝わりづらい話なのだけど、「ボ哲の紙+術語スケルトンパズル」は、前作『黙談』( @Silentalk_Spiel )のB面です。黙談は、今ここで“他者”を常に必要とするパズル、一方でボ哲は2000年以上の歴史を偉大な思想家を頼りに“1人で”沈思黙考するパズル。逆に言葉は前者がゼロで後者は大量。 pic.twitter.com/nlys9scsD6
— ボードゲーム哲学【土-X02】ゲムマ2025秋🍠 (@Spiel_humanitas) November 10, 2025
🫰ボドゲのレビュー評価に関しては
— ボードゲーム哲学【土-X02】ゲムマ2025秋🍠 (@Spiel_humanitas) November 20, 2025
『ボ哲の紙』の「レビューの『星』問題」のコラムが詳しいです。メタ倫理、言語行為論、言語ゲームの観点で解説しています。
🫰ボドゲカフェに関しては
『ボ哲の紙』「ボードゲームで遊ぶ場のファシリテーター」が詳しいです。専門性や人間関係論に言及。あと👇も。
