EVOQ!

ファンタジーの世界観をモチーフにした対戦型ボードゲーム、EVOQ!(イボーク)の販売・試遊を行います。 運の要素を一切含まない、チェスや将棋のようなゲームです。
モンスター召喚や魔法といったファンタジー要素をベースに、転送装置でモンスターが合体するなどSF映画風のギミックを加味した独特のゲームシステムが特徴です。
実際にプレイしていただかないと魅力が伝わり辛いゲームかと思いますので、一度手に取って遊んでいただければ幸いです。

【基礎講座3】EVOQ!のゲームメカニクス【補助魔法編】
2025/5/4 13:30
ブログ

ボードゲーム EVOQ!の補助魔法について、ゲーム設計上のメカニクスとプレイヤー視点での戦略性の両面から解説します。

補助魔法の基本

このゲームでは、敵の幻獣を攻撃したり合体(概念的には魔力吸収)したりすることで、その駒を捕虜として捕まえることができます (攻撃と合体の説明はこちら→【基礎講座1】【基礎講座2】)。

攻撃や合体で捕獲した敵駒は、そのまま補助魔法の発動アイテムになります。
といっても、生きた幻獣を祭壇に捧げて生贄の儀式をしたりするわけではありません。盤上に現れていない幻獣たちは召喚魔法が解けて木製のメダルの形に戻っているので、そのメダルに施された術式と魔力を抽出して利用する仕組み(という設定)です。

補助魔法の種類と使い方

こんなかんじです

このゲームでは、各プレイヤーが行動できるのは自分のターン中のみです。なおかつ、召喚・移動(合体を含む)・攻撃のいずれかを行った時点でターンが終了します。なので必然的に、補助魔法が使えるタイミングは、自分のターン開始から前述の行動を行う前までの間に限られます。

補助魔法の終了条件

敵に補助魔法を使われてしまった時、それを無効化する条件は2つです。

(魔法解除条件その1)敵から攻撃を受ける

この終了条件は、補助魔法の強力な効果とゲームバランスを両立するために設けられたものです。攻撃による成果を伴ってから効果終了となるので、魔法を使ったプレイヤーにも納得感が大きいというのがルール設計上の意図です。
特に相手ターンで効力を発する魔法(犬魔法ガードと馬魔法ディレイ)は攻撃と同時には発動できないことになるので(ルール上は可能ですが相手ターンになる前に効力が切れて単なる駒の返却になるので)大きな制約になります。相対的に鳥魔法フライの優位性が入手難易度に対して不釣り合いに突出しすぎるため、効果範囲を翼のない3キャラに絞っています(開発側の事情としては、飛行魔法というのは後付けの理由です)。
この表面的に見えにくい制約を加えておかないと、ゲームバランスが成立しません。逆に言えばそれぐらい補助魔法の効果は戦局の優劣を左右します。盤上全体で駒のリーチと強弱が突然変わるわけですから、当然といえば当然です。

(魔法解除条件その2)敵の駒を攻撃する

補助魔法を使われた側の対抗手段として用意したのが、この2つ目の終了条件です。
このゲームを開発するにあたって、とにかくできるだけ余計なルールやギミックを増やさずシンプルに保ちたかったので、単純に物理攻撃が魔法の解除手段を兼ねるというルール設計にしました。

それらを一括りに説明すると、「補助魔法は敵か味方いずれかが攻撃を受けるまで有効」ということになるのですが、ゲームシステム設計の観点から言うと、実はこの2つの終了条件は全く別の理由から導入されたものだったりするわけです。
そしてこのルールがゲームの戦略性に妙味を与えることになります。
たとえば、敵を攻撃してしまうと魔法が切れてしまうけど(敵との)合体なら魔法を持続したまま敵駒を奪えるとか、魔法が切れたら詰んでしまう状態だと攻撃したくてもできないとか、使いこなすと(この終了条件自体が)非常に面白いギミックです。
本製品に付属の「詰めEVOQ!」にもそのあたりを組み込んだ問題が収録されていますので、購入予定の方はぜひ実際のプレイでの肌感覚をお試しください。