EVOQ! @StudioEVOQ
ファンタジーの世界観をモチーフにした対戦型ボードゲーム、EVOQ!(イボーク)の販売・試遊を行います。
運の要素を一切含まない、チェスや将棋のようなゲームです。
モンスター召喚や魔法といったファンタジー要素をベースに、転送装置でモンスターが合体するなどSF映画風のギミックを加味した独特のゲームシステムが特徴です。
実際にプレイしていただかないと魅力が伝わり辛いゲームかと思いますので、一度手に取って遊んでいただければ幸いです。
- 【基礎講座2】EVOQ!のゲームメカニクス【合体編】
- 2025/5/2 20:30
ボードゲーム EVOQ!は将棋やチェスのような2人対戦型のボードゲームです。
このゲームでは、モンスター同士が合体します。いかに合体するか、いかに相手に合体させないかの駆け引きがこのゲームの大きな魅力の一つです。
その合体の仕組みについて、ゲーム設計上のメカニクスとプレイヤー視点での戦略の両面から解説します。
(前講義の【入門編】はこちら)
合体の基本
このゲームに登場する使い魔の幻獣は大きく2種類に分けられます。- 1つは、召喚で呼び出せる犬(ケルベロス)、馬(ユニコーン)、鳥(セイレーン)。
- もう1つは、それらの幻獣が合体して出現する3種類、グリフォン(犬+鳥)、ペガサス(馬+鳥)、ドラゴン(グリフォン+馬、もしくはペガサス+犬、つまり犬馬鳥の3種混合)。
合体の効果
合体はかなり強力です。2体が1体に合体して盤上の自駒が1体減ってしまったとしても、十分にそれを上回る効果があります。戦略性が高く少しコツが要るアクションですが、勝つためには必須のスキルです。
「合体無くして勝利無し」といっても過言ではありません。「No fusion, No life.」です。
合体の仕方
こんなかんじです。
転送装置で合体するシステムの元ネタは、言わずと知れた「ザ・フライ」です。2体を別々の装置に入れるので、正確には2の方ですね。
古今東西、転送技術というのはそういう危険極まりない代物なわけですが、このゲームの転送装置は安全対策がしっかりしているのでそのような痛ましい事故は起こりません。
合体で使用する場合を除いて、転送先のゲート内に別の物体を検知した時は安全装置が働き、転送機能がストップする仕組みになっています(ゲームマニュアル3頁参照)。
この世界におけるエルフ社会の安全意識と倫理観からすれば、一般人が無秩序に好き勝手な座標に瞬間転移できる扉型デバイスなどは論外です。
ゲームメカニクス
合体の仕組みと手順はいたって単純ですが、実際にプレイしてみると一筋縄ではいきません。
ポイントは、敵同士でも合体できるという自由度の高さです。
一見フレンドリーで垣根の低そうなシステムにも思えますが、お互いに敵の駒を自分の合体に利用可能ということは、熾烈な頭脳戦の駆け引きが不可避であることを意味します。
合体するには2体のモンスターのうちどちらか1体を予め転送ゲートに載せておく必要がありますが、そうすると当然、敵もその駒との合体が可能になり、その逆もしかりです。なので、相手の合体を防ぎつつ自分の合体だけを成功させるためには、対戦相手を上回る先読みと工夫が要求されることになります。
このゲームのプレイ中、思考力の8割はこの合体の駆け引きに注ぎ込む必要があります。転送ゲートの仕組みと相まって、非常にパズル要素の色が強いギミックです。
実のところ本作のゲームメカニクスは、純粋なロジックだけを抽出してみるとかなり複雑に入り組んだ構造になっています。通常の攻撃ルールに加えて、転送ゲート上だけ全く別のアブストラクトゲームが重なりあっているようなもので、そこへさらに補助魔法という盤面全体の戦力図を塗り替える戦略要素が加わります。補助魔法の詳述はここでは割愛しますが、攻撃や合体で奪った敵駒が補助魔法の発動アイテムになるという仕組みでそれらの要素が絡み合って全体のゲームメカニクスを構成しています。
なぜそんなことになっているかというと、このゲームのモチーフであるモンスター召喚バトルをルールに落とし込んでいたら何となく結果的にそうなっただけで、必ずしもルール設計の側からビルドアップしていったわけではないので、そこはあまり重視していません。
むしろ理屈っぽい難しさの無い、直感的な理解だけで100%楽しめるゲームを目指して作ったつもりなので誰でも平易に楽しめるゲームになっていることを願いつつ、絶対の自信はないので、ご興味のある方は当日ぜひ試遊いただいて、お眼鏡に適わなかったらごめんなさい。