サイシュピール

合同サークルサイシュピールです。静岡を拠点とする、 スタジオくるくる(@StudioKurukuru) 輪骨舎(@lancelot_szok) Megaromatic game(@Megalomaniac_G)の3サークルで結成しています。

【新作ボドゲ】パチスロシミュレーター必勝ガイド
2022/10/10 8:00
ブログ

Megalomaniac Gameはゲームマーケット2022秋にて新作ボードゲーム『パチスロシミュレーター』を頒布します!

「パチスロかあ……知らないし興味ないね」とか「テーマだけのゲームなんでしょ?」とお思いの方はちょっと待っていただきたい。確かにテーマは「パチスロ」ですが、ゲームとしてもかなりヘンテコで面白いものに仕上がっていると思います。

この記事では『パチスロシミュレーター』の概要やシステムを詳しく解説。

これだけ読めば大丈夫!というくらい細かく紹介していきます。

今は興味のない方も、是非とも判断はこの記事を読んだ後に!

 

(この記事で登場する一部のコンポーネントやアートワークはテストプレイ時のものです。実際のものとは仕様が異なります)

 

 

【基本情報】

プレイ人数は2~5人。プレイ時間は30分。

そしてジャンルは……「推理」です。

謎解きなどと違ってネタバレやレガシー要素は無く、何度でも遊ぶことが出来ます。

代表的なものと言えば「クルード」。最近の作品では「厄介なゲストたち」や「ザ・キー」などが有名ですね。

 

【概要】

重要な役割を担うのは「子役カード」と呼ばれる8種類のカードです。

ゲームではこれら8種類のカードで構成された20枚の山札が6つ登場します。

これらは一見すると同じように見えますが、実は「設定」と呼ばれるものが1~6まで存在し、それに基づいてカード構成が決められています。

例えば「設定2」の山札では……

このような構成。

それに対して「設定3」の山札では……

このような構成になります。かなり違いがあるのが見て取れるでしょうか?

 

この「設定」の異なる6つの山札をどれがどれだか分からないように場所を入れ替え……

「台番号カード」を載せたら準備完了です。

この「台番号カード」はあくまで目印であり、「001」の山札だから「設定1」というわけではありません。

ゲーム開始時、プレイヤーはどの山札がその設定なのかはわかりません。

 

プレイヤーの目的はこれらの山札の「設定」をより多く、より早く正解する事です!

 

 

【ゲームの進行】

では次にどのようにゲームが進行していくのかを見ていきます。

ゲームではいくつかのアクションが存在しますが、一番よく行われ、重要なアクションについて説明しましょう。

プレイヤーは6つの山札から1つ選び、自分の手元に置くことが出来ます。

そして手元にある山札からカードを3枚引き確認します。

 

その後、「記入シート」という専用のシートへ……

「台番号」の一致する欄に出たカードの内容を記録します。

その後、引いたカードを山札に戻しシャッフル。

これが基本的なアクションの流れです。

プレイヤーはこれを繰り返すことで、それぞれの台で出現したカードの記録がどんどんたまっていきます。これは「設定」を推測する上で最も重要な手掛かりになるでしょう!

 

 

そしてもう1つ重要な要素。

ゲームはラウンドで管理され、4ラウンド行った後ゲームは終了するのですが……

アクションを行う「メインフェイズ」ではリアルタイムにゲームが進行し、4分経過すると強制的に次のフェイズに移ります!

つまり『パチスロシミュレーター』は推理ゲームでありながら、リアルタイムゲームでもあるのです!

プレイヤーは4分間の「メインフェイズ」の間、上記のカードを引くというアクションを何度でも実行できます。つまり素早くアクションを行えば行うほど、大量にデータが集まり、ゲームを有利に運ぶことが出来るのです!

 

 

【設定の推測】

ここで「確立を基に設定を推測することなんて本当に出来るのか?」という疑問が生じる方もいるでしょう。

確かに「カードを引く」という行動は運に作用され、確率通りに出るとは限りません。

ですが、それぞれの「設定」の特徴を知ることである程度の正確さで推測することは可能になるはずです。

 

例えば「設定」は1~6まで存在しますが、それぞれには分類によって共通点が存在します。

例えば「奇数設定(1・3・5)」では……

「奇数示唆」と「スイカボーナス」のカードが必ず2枚入っています。

逆に「偶数示唆」と「チェリーボーナス」のカードは必ず1枚だけです。

 

対して「偶数設定(2・4・6)」では……

先程の構成が反転し、「偶数示唆」と「チェリーボーナス」が必ず2枚。

「奇数示唆」と「スイカボーナス」が必ず1枚ずつ入っています。

 

これらの出現率を見るだけでも「奇数」か「偶数」かというのはある程度判断が出来ます。

この他にも「低設定(1・2)」「中間設定(3・4)」「高設定(5・6)」という分類でもある程度共通点が存在します。

そしてゲームでは必ず「設定1~6」まで1つずつ存在するため、情報が集まってくれば

「この3つが奇数で、こっち3つが偶数だろう」

「これの設定はピンとこないけど、こっちが多分設定③だから設定①だろう」

といった推測が可能になります。

 

それぞれの「設定」のカード構成は「ついたて」に全て記載されており、ゲーム中いつでも確認可能です。

慣れていない内はグラフの形を見て、大雑把に推測することも出来ます。

 

乱数の偏りも、試行回数を増やせば増やすほど確率は収束し、より正確に推理を行うことが出来ます。

これらの情報は説明書に「設定判別の目安」という項目で載っているので、これを共有することで初めてプレイする方もが推理を楽しむことが出来るでしょう。

 

とは言え、乱数の偏りによってはどうしようもない時はあります。

しかし長い目で見れば正しく立ち回りを行うプレイヤーがより多く勝利するはずです!

 

 

【その他の要素】

『パチスロシミュレーター』の中核を成す要素は以上の通りです。

この項ではゲームを盛り上げるその他の要素を少し紹介します。

 

プレイヤーが持つ「記入シート」には「ボーナスチェック」という欄が存在します。

これは「ボーナス」と名のつくカードを引いたときにチェックを入れることが出来ます。

(ボーナスと名のつくカードとは「ボーナス」「スイカ ボーナス」「チェリー ボーナス」の3種類です)

チェックを進めると、「スキル」と呼ばれる能力が使用可能になります。

これはアクションで引ける枚数を一時的に増やしてくれるので情報を集める上で役に立つことでしょう。

 

そして「ボーナス」と名のつくカードは低設定より高設定の方が多く出現します。

ゲーム序盤にキープした山札が高設定だと確信できれば、ある程度回してボーナスチェックを溜める……というのも1つの戦略です。

 

 

他にもゲーム中、プレイヤーが「もうこれで完璧!」だと思えば、回答を行うことが出来ます。

その後、プレイヤーが1枚ずつ所持しているメダルを……

(このメダルは実際にお店で使われている物と同じものです!)

 

ラウンドボードにある「稼働終了」のところに置きます。

この時、置いたマスの数字を記録しておきます。

ゲーム終了時、より多くの山札の「設定」を当てたプレイヤーが勝利しますが、同点の場合はこの数字が小さい方が勝利します。

つまり早く回答を行ったプレイヤーがタイブレークで有利になるのです。

このため、正確さと同時にスピードも非常に重要になってくるでしょう。

 

 

【どんな部分がオススメか?】

『パチスロシミュレーター』のベースとなるのは「推理」です。

この手のタイプのボードゲームには『クルード』を始祖とする「論理パズル」系の作品と、謎解きなどの1度しかプレイできない「シナリオ」系の作品、「人狼」を始めとする「正体隠匿」系の作品と、大きく3つに分類することが出来ると思います。『パチスロシミュレーター』はどちらかと言えば1つ目の「論理パズル」系の作品と言えるでしょう。

 

しかしそれらのゲームと比べると『パチスロシミュレーター』は少し異質なゲームかもしれません。

「論理パズル」系の多くは正しい情報を繋ぎ合わせ、様々な可能性を潰していく形式です。

例えば「凶器はAではない」「Bは何時にアリバイが無い」といった情報を整理していきます。

その体験はとても面白いものですが、非常にパズル的だとも言えます。

それが苦手だというプレイヤーはそれなりにいるのではないでしょうか?

 

対して『パチスロシミュレーター』で得られるのは「正しい情報」ではなく「何かの法則に基づいて形成されたデータ」です。

大量のデータから逆算して推理を行う。

「統計を取るような形で進行する推理ゲーム」というのはあまり無いアプローチでしょう。

そして「論理パズル」を解くような能力はそこまで重要ではなく、むしろ素早く情報を整理する能力の方が必要になります。

このスタイルは従来の「論理パズル」系でありがちな「終盤に既に知っている情報を引いて無駄手になる」といったストレスはありません。引けば引くほど確率は収束し、アクションが無駄になるという心配はないのです。

加えて「長考が発生しやすく、プレイ時間が延びがち」という問題も、リアルタイムにゲームを進行させるという方法で解決しようと試みています。

 

この「生成されるデータから何かを推測する」というアイデアはテーマであるパチスロから来ているものです。

パチスロを遊戯する方にはそれなりに馴染みのあるゲーム性ですが、逆に他のボードゲームやデジタルゲームではこういったシステムのゲームはあまり見られません

僕がこのゲームを作ろうと思ったのは、この面白さを再現したゲームを作れば、パチスロを知らないボードゲーマーには新鮮なものとして映るのではないかと考えたためです。

 

なので変わったゲームがしたい。新しいものに触れたいという方にはオススメ出来る作品だと思います。

もちろんパチスロが好きな方はいつもの面白さを体験できるので、十分に満足できると思います。

 

 

【この部分は人を選ぶ!】
​​​​​​ここまで今作のオススメポイントを取り上げてきました。

しかし良い部分だけを取り上げて、宣伝を行うのはあまりフェアではないでしょう。

この項では『パチスロシミュレーター』の良くない点、というか人を選びそうな点をいくつかまとめます。もちろん沢山の人に買っていただきたいですが、買ったけど自分に合わなかったという方がいるのは悲しいので……

 

まず1つは「従来の推理ゲームのようにカッチリとした推理は行えない」という点。

『パチスロシミュレーター』で行うのは「生成されたデータからの推測」であり、それには常に不確実な点が伴います。

もちろんゲームを進めることで「この山札の設定は90%これだろう」というところまでは導くことが出来るでしょうが、「100%この設定だ」というところまで導くのは非常に困難です。ゲーム中、本当にこれで正しいのかという不安は常に付きまとうでしょう。

この確定させることが出来ないという要素は、地道に可能性を潰していくタイプの推理ゲームが好きな方にとってはストレスに感じる可能性があります。

またリアルタイムでゲームが進行し、ゆっくり考えている暇がないというのが好きではないという方もいると思います。

『パチスロシミュレーター』は「ある程度推測を踏まえて可能性の高い選択肢にBETするゲーム」です。

「緻密な論理の積み重ね」のようなイメージでプレイすると期待に沿えない可能性があります。

 

 

もう1つは「基本的なゲームの流れは極めてシンプル」という点です。

『パチスロシミュレーター』をプレイする多くの時間は「山札をシャッフルし、カードを引き、その内容を記録する」という行為で費やされます。

もちろんそれと同時に推測を進めたり、時間をどのように使用するかという選択肢はあります。

しかし根本的には「カードを引き、記録する」の繰り返しであり、ゲームとしては地味です。

自分はこの要素を「パチスロの面白さを再現する」上で許容できる範囲であると判断しましたが、どうしてもストレスの方を強く感じてしまう方もいるでしょう。

 

 

これらの要素から万人受けするというよりは、人を選ぶタイプのゲームです。

ですがそこを差し置いても、自分は同人らしい新しさと魅力がたっぷり詰まったゲームだと思っています。

この記事を読んで気になったなら、是非とも当日ブースへ遊びに来てください!

 

【まとめ】

『パチスロシミュレーター』はゲームマーケット2022秋に「土イ37‐サイシュピール」ブースにて頒布されます。

価格は2500円。それなりにお求めやすい値段です。

出展日は10/29(土)のみ。日曜日の出展は無いのでご注意ください。

 

追記)取り置き予約受付開始しました。

確実に入手したい方はこちらの利用がおすすめです。

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