サイシュピール

合同サークルサイシュピールです。静岡を拠点とする、 スタジオくるくる(@StudioKurukuru) 輪骨舎(@lancelot_szok) Megaromatic game(@Megalomaniac_G)の3サークルで結成しています。

新作ボドゲ【解脱RTA】発売前パーフェクト攻略ガイド
2022/3/18 3:57
ブログ

こんにちは!Megalomaniac Gameです。

当サークルはゲームマーケット22春にて新作ボドゲ【解脱RTA】を発売します!

「解脱……?」「RTA……?」「よくわからんが気色の悪いゲームだな……」

そんなことを思っているあなたも、この記事を読めば購入したくなること間違いなし!

今日はこの【解脱RTA】の魅力を余すところなく解説する。

 

(この記事で登場する製品はサンプルであり、実際のコンポーネントとは一部異なる場合があります)

 

【①​​​​​​基本情報】

まず初めに、『解脱RTA』は3~4人で遊べるボードゲームだ。

箱は小さめで、いわゆる小箱と呼ばれるタイプのゲームに属する。

全員で協力するといったものではなく、プレイヤー同士がバチバチに競い合う対戦形式。

1ゲームは30分程度で終わる。慣れてくればもっと早くプレイすることも出来るだろう。

 

【②テーマ・世界観】

ボードゲームを紹介する上で重要なのはテーマ、つまりどんな世界の話かを知って貰うのが手っ取り早い。

『解脱RTA』の舞台は異世界である。

といっても私たちの住む地球とほとんど違いはない。

たくさんの人間が暮らし、技術水準や知能レベルもそう変わらない。

1つ違う点があるとすれば、そこでは気が遠くなるくらい昔から人間同士が戦争を続けていることだ。

この世界には大きく分けて4つの陣営が存在している。

プレイヤーはその4つの陣営の1つに属し、兵士となって終わりなき戦争に参加することになる

これが『解脱RTA』の基本的な世界観だ。

 

【③基本的なゲームシステム】

さてテーマの話ばかりしていても退屈だ。一度ゲームシステムの方にも目を向けることにしよう。

『解脱RTA』は多くのゲームで見られるターン制で進行していく。

手番の人のターンが終わったら時計回りで次の人のターン、これを終了条件を満たすまで繰り返す。

手番でやることもそう難しくはない。

ここで重要になるのは数字の書かれた「活力チップ」と呼ばれるものと

4つの陣営が争いを繰り広げる舞台となる6枚の「戦場カード」だ。

プレイヤーはそれぞれ手元に「活力チップ」を何枚か持っている。

これは手札の様なものとイメージすると分かりやすい。

「活力チップ」とは言わば人間の活力、生命力、エネルギーを意味している。

手番プレイヤーは自分が所持する「活力チップ」を一枚選び、任意の戦場カードに配置する。
​​​​

この時重要になるのがプレイヤーの所属する陣営

例えば手番プレイヤーは「森」の戦場カードにチップを配置したい。

今は黄色の陣営に属しているので……

「活力チップ」を1枚選び、「森」の黄のスペースに配置する。

基本はこれだけ。手番になったら所持するチップを1枚どこかの戦場に配置する。

そしてチップを配置した後、戦場に描かれた「イベントマス」によって何らかの効果が発動したり……

一つの戦場にある程度の枚数のチップが置かれると、そこでの戦争が一時的に終わりを迎える。

ゲーム的に言うなら、これは決算だ。

決算が起こるとそれぞれの陣営のスペースに置かれた「活力チップ」の数字を比べる。

そしてその順位に応じて所属する兵士に栄誉が送られる。

 

こうやって書くと一見数字を比べあうシンプルなエリアマジョリティのゲームのように見える。

しかしこのゲームを複雑、そして魅力的にしているのが【寿命】【転生】【解脱】という要素になる。

 

【④寿命、転生、そして解脱】

プレイヤーは手番のたびに所持する活力チップを配置していく。

だがこれは手番の終わりに補充することはない。必然的にその枚数は減っていく。

さっきも述べたように活力チップは生命力であり、エネルギーの象徴。

つまり活力チップの数は、その人間の寿命の長さそのものだ。

だから活力チップが全て無くなってしまった人間は……死んでしまう!

 

もし死んでしまったらそれで終わりなのだろうか?いや、この世界ではそうではない。

死んだ人間は輪廻の輪に導かれ、全く別の人間として新しく生まれ変わる!

これがいわゆる「転生」

システム面で言うなら陣営が変更され、新しく活力チップを何枚か得るという処理が入る。

(自分が次にどの陣営になるかは決まっている。例えば画像のプレイヤーは次に青、赤、黄の順で転生する)

 

ここで君は死んでも生まれ変われるなんて羨ましいと思うかもしれない。

でも考えて欲しい。この世界では本当に昔から戦争が続いている。

生まれ変わっても結局戦争に参加するしかなく、きっと同じように死ぬ。

「転生」が続く限り、この無限ループからは避けられない。

多分それは何と言うか……嬉しくはない。むしろ最悪な気分だ。

だから君たちはこの繰り返しをやめたい。輪廻から脱却したい。

その唯一の方法がこのゲームのタイトルにもある「解脱」なのだ!

「解脱」というのは実際に仏教やインド哲学に存在する概念だ。

正確に説明するのは難しいので非常にざっくりと解説するなら、

「修行を重ねて苦しみ一つもない最強の状態になる」と言った感じだ。

(色々と語弊があると思うので気になる人は詳しく調べてください)

 

ゲーム中にプレイヤーが目指すのも「解脱」になる。

戦争で活躍したり、良いことをしたりするとプレイヤーは「徳」を積むことが出来る。

これはいわゆる他のゲームでいう勝利点だ。

そしてこの「徳」を一定以上積んだ状態で「死亡」すると……

プレイヤーは「解脱」し、このゲームの勝者になる!

(白のプレイヤーは十分に徳を積んでいるので、この状態で死亡すると「解脱」する!)​​​​​​

 

つまりこれはタイトルの通り、プレイヤーが一番早く「解脱」するのかを競い合う……

「解脱RTA(=リアル・タイム・アタック)」なんだ(なんて悪趣味なゲーム‼)

 

※一応補足。こんなテーマのゲームは不謹慎だという声はあるだろう。

だがこれは特定の宗教や戦争を揶揄する意図は全くない。

この部分は後に公開予定であるテーマについての記事で詳しく触れる予定だ。

【⑤その他のゲームシステム】

テーマの話はこのくらいにしてゲーム部分をもう少し見ていこう。

先程説明した通り、ゲームの骨格となる部分はエリアマジョリティになる。

しかし勝敗を分けるのはそこじゃない。

勝利点を得るために重要なのは決算の時の自分の陣営だ。

(この戦場では1位の陣営に所属する兵士に4点、2位に3点、3位に2点が入る)

 

例えば1つの戦場で頑張っても、決算の直前で「死亡」してしまえば点数は入らない。

逆に死亡するタイミングが嚙み合えば何もしなくても点数が入る時もあるだろう。

 

つまりエリアマジョリティの要素は今どの陣営に旨味があるのかを示す指標だ。

重要なのはいつ死ぬか、即ち陣営を変えるか。いつ決算を発生させるかという差し合いに詰まっている。

 

そして自分一人だけでタイミング良く決算を発生させるのは困難だ。

相手の動向に目を向けたり、一時的に協力することが不可欠になる。

その思惑のぶつかり合い、プレイヤー同士の駆け引きがこのゲームの魅力だ。

 

これは他のシステムにも表れていて、例えばさっき言及した戦場カード。

これにはイベントマスと呼ばれるものがついている。

活力チップを配置するとイベントマスに対応した有益なアクションが行える。

ここで重要になるのはその戦場に何枚チップが存在しているか

例えば先ほどと同じく手番プレイヤーは「森」に活力チップを配置しようとしている。

そして「森」には既に3枚チップが置かれており、これは4枚目のチップになるため……

イベントマスの左から4番目にある「栄誉」の効果が発生し、プレイヤーは勝利点を1得る。

 

このイベントマスはその戦場カードのチップ総数に紐づいている。

つまり自分がチップを配置する(=チップの総数を増やす)という行為は、次のプレイヤーが強力なイベントマスを使用できる可能性がある。

自分の点数を伸ばすのは当然、誰の点数を伸ばさないようにするかも重要となる。

手番でやることはチップを配置するだけだが、非常に悩ましいものに仕上がっている。

 

他にもゲームでは「御利益チップ」というものが登場する。

これはとあるベントマスで入手可能で、使用することでチップの内容に対応したフリーアクションを行える

そして何の「御利益チップ」を入手できるかはランダムで、他のプレイヤーがどのチップを持っているかを知ることは出来ない。

「御利益チップ」を活用するためにどう立ち回るか、相手が何を持っているか。

プレイヤー同士の読み合いを加速させる一つの要素になっている。

 

 

さてここまでで分かるように本作はプレイヤー同士の絡みが強い

自分のミスが誰かの利益に直接繋がってしまうシビアさがある。

こういったタイプのゲームが苦手で敬遠する人は多いだろう。

 

だが「解脱RTA」は30分くらいで終わる。

加えてチップに多少引きの要素が絡んだり、邪魔されることがあっても点数にマイナスを喰らうようなことはない。

このようなトラウマにならない工夫がいくつかあるので類似ゲームと比べて遊びやすいはずだ。

 

僕はこの手のマルチと呼ばれるゲームが大好きだ。(だからこのゲームを作った)

確かに他人に邪魔されて嫌な気持ちになることもある。

しかしそれぞれのプレイヤーの行動が他人に強く影響を与え、場の雰囲気を読み切ることもゲームの勝敗に大きく関わる。

これは皆で同じ卓を囲むアナログゲームならではの魅力が詰まっていると感じる。

 

だから先入観を無くして、色んな人にこのゲームをプレイして欲しい。

やっぱり合わないかもしれないが、新しい面白さに気づくかもしれない。

 

【⑥まとめ】

『解脱RTA』はゲームマーケット2022春にて発売されるボードゲームだ。

プレイ時間は短めながらも、しっかりと駆け引きを楽しめるゲーム性。

独特のテーマとゲームシステムが上手く融合した世界観。

非常に同人らしい魅力に溢れており、自信をもってお勧めできるものに仕上がっていると思う。

 

出展日は4/23(土)のみ。ア‐26『サイシュピール』ブース内にて販売を行う。

日曜日の出展は無いので十分注意して欲しい。

 

Megalomaniac Game公式ツイッター(@Megalomaniac_G)ではゲームに関する最新情報を呟いている。

現状もう少し深くゲームシステムを掘り下げた【システム篇】とテーマについて掘り下げる【テーマ篇】の2つの記事の公開を予定している。

この記事で興味を持った方は見逃さないよう、公式ツイッターをフォローすることをお勧めする。

 

 

【⑦補足】

……とは言っても何も知らないサークルのゲームを買うのは躊躇してしまうという人はいるだろう。

そんな方に参考にしていただきたいのは当サークルの過去作だ。

当サークルは今までに2つのマーダーミステリーを製作している。

中でも2人用の『七つの死体と一人の男』は特にお勧め。

 

七つの死体と一人の男

 

これはマダミスをやったことない人向けに制作した作品だ。

2人用マーダーミステリーと銘打っているが、実際は協力型の謎解きゲームに近い。

マダミス初心者が敬遠しがちなロールプレイを無理にせずとも楽しめるようになっている。

加えて本作品は無料でプレイできるうえ、オンラインやオフライン問わず遊ぶことが出来る。

ゲーム自体も1時間程度で終わるので、『解脱RTA』を購入するかの参考基準にするには向いているはずだ。

 

 

最後に。この記事をここまで読んでくれてありがとう。

次は【解脱RTA】発売前パーフェクト攻略ガイド【システム篇】でお会いしましょう。

 

【追記】続きの記事出ました。こちらのリンクからどうぞ!

【解脱RTA】発売前パーフェクト攻略ガイド【システム編】