空創Lab

今回は1卓販売+1卓試遊になります。 「王立魔術師養成学院~詠唱研究科~」を中心に展示します。 ゲームマーケット2024秋で好評を博した「魔術師の杖」の新作も多数用意します。 今回、試遊プランは初めての試みですので、気になってたゲームのお試しがしたい方は是非お立ち寄りください。

【ゲムマ2025春 新作開発記】『はらぺこペンギン(仮)』ができるまで④ ―名古屋へ向かう車中も、まだ霧の中―
2025/4/17 15:05
ブログ

さて、春ゲムマに向けてのスケジュールを改めて確認する。

今回、『はらぺこペンギン』には、もうひとつの“戦場”があった。
それが――4月25日(金)夜に開催される「ペンギン大学『世界ペンギンの日』特別講義2025」。

そこはペンギン好きが集まる場。
となれば、ペンギンのゲームを出さない選択肢はない。
最悪の場合、既存作で何とかすることもできなくはないが、できれば新作も出したい。

数はそこまで大量ではない。20個ほど用意できれば十分。

このイベントに間に合わせるためには、できれば4月2週目にはすべてを入稿しておきたい。
最悪、4月第2週の後半でなんとか……いや、なんとかなるか……?
ただし、印刷トラブルが起きたらアウト。
加えて、直前の箱詰め作業に全力を注ぐ必要アリ。
つまり、結構ギリギリな橋を渡ることになる。

そう考えると、3月中にルールの骨格が固まっていなければ間に合わない。
だが、気づけば3月が終わろうとしていた。

「もう、名古屋で考えるしかないな……」

3月30日(日)。
この日は名古屋で開催されるボードゲーム楽市に出展する日だった。

正直、気持ちは落ち着かないまま、名古屋へと向かった。


<名古屋に天使は現れるのか?>

結果は――やはり、というべきか、天使は今回もやって来ない。

多少の進展はあったが、「これでいける!」という決定打にはならない。
悩みを抱えたまま、次の一週間に全てを託すことにした。

ここまで来たら、残された時間はもうわずか。
次のテストプレイ予定は4月5日(土)・6日(日)。
そこが本当の最後のチャンスとなる。

<迫るタイミリミット>

それまでの間は、これまでのアイデアを一旦リセットし、まっさらな気持ちで向き合うことにした。

これまでは、「ベルトコンベアに乗ってペンギンが流れてくる」方式だった。
お腹を空かせたペンギンたちが次々と現れ、満腹になれば去っていく。

このコンセプトは気に入っていた。
だが、調整すべき要素が多すぎて、収集がつかなくなっていた。

「1ターンで何マス進む?」
「流れきるまで何ターンかかる?」
「ペンギンごとに出現間隔を変えたほうがいい?」
「どうなったらペンギンが怒り出す?」
……とにかく要素が多すぎて、整理が追いつかない。

「だったら、いっそのこと、ベルトコンベアをやめよう」

発想を転換することにした。

新たに考えたのは、ペンギンたちは空いている食堂の席に座り、食事を待つという形式に。
プレイヤーは協力して、順番にやってくるペンギンたちに食事を出していく。
満足したペンギンは帰る。不満なら怒る。

ようやく、ようやく、アイデアがまとまり始めた。

4月5日(土)。
ここでのテストプレイで手応えがなければ、本当にアウト。
いよいよ運命の週末へ――。

――⑤へ続く。