Dilettante

サークル・Dilettante(でぃれったんと)はボードゲーム作りが得意なサークルです。

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【九龍飲茶楼】ストーリー(E21:Dilettante)
2018/4/1 0:18
ブログ

キャラ紹介

← 亞夢(ヤーモン)      春燕(チュンイェン)→



ピカピカ・ドカーン



時は、ちょっと昔。

香港の返還期限が迫る中、ちょっと困ったことが中国人と英国人の間であった。

それは九龍城……。

この九龍城、スラムだったはずが、どんどん流れ者が居着き、仕事をはじめ、さらに大きくなり、

要するに…

九龍城は……栄えてすぎていた!

もはや九龍城という一つの国!うわさでは、九龍城には裁判所や警察までいるという……。ここに立ち入ったりすれば、もう戦争になっちゃうだろう。



そんなわけで香港政府は頭を悩ませていた!



うううーん、これじゃあ、返還できない!!しかしあの流浪の民たちは住民権もなにもない!

もし例えばイギリス国籍をもったままだと……困ってしまう!返還後に全員を不法入国扱いにすると……それはそれで問題だ!!

返還するからには、ちゃんと香港人と内省人を分けていかにゃ!



そこで香港政府が考えたのが、陽美食氏への依頼だ。

陽氏はなんと、これまでも世界のサミット・会議などでその料理のおいしさだけで和平を成し遂げたりした人物。

すごいのだ。

その力をもって、九龍城をみんなの心をホロホロにし、みんなが満足しきったところで気持ちよく出て行ってもらってするっと返還するのだー。



一通り九龍城を見て回った陽氏はこう言った。

「いいでしょう、では、この味園地区の今は使われていないキャバレー「小宇宙(ユニバース)」を使わせてください。

沢山料理を作っておくので、それを各地区の代表に取って帰らせればいいでしょう」



―――一方そのころ。

陰氏も同じ仕事を請けていた…。中国政府からの依頼によって!

理由は同じだった。九龍城のいかつい面々を黙らせるには料理の力しかない!

陰氏は、一口食べればあまりの美味しさに他のものが食べたくなくなる、「痩身食」で世界のVIPを痩せさせてきたスーパーシェフだ。

つまり、同じ料理の依頼でもその理由はぜんぜん異なる…。

香港政府はポジティブな気持ちによって出て行ってもらう、こっちの陰氏に頼んだ理由は、もう何も食べたくないと疲弊したところで無理やり中国政府がお外に引っ張り出そうとしていたのだ。



しかも!陰氏も一通り九龍城をみてこういった。

「ふーむ、一気に全員分の料理を作るとなるとそれなりに広い広間がいるから……。この「小宇宙(ユニバース)」ってところ使わせてもらうぜ」



つまり!!



陽氏の料理と陰氏の料理、二人がまぜこぜで提供されるのだ!



ハイパーポジティブ料理とハイパーネガティブ料理!

陰と、陽!

勝つのはどっちだ!!











ゲーム1!!! 「袋の中の龍フィロン」!!



キャバレー小宇宙に集まった九龍城の各氏族の面々は、その香りにまずびっくり、一口味見してのたうちまわってしまった。



「こ、こんなにうまいもん食べたこたあねえ」

「うおーーーー全部俺のだ!!おまえらにやるか!3万九龍ドルだ!」

「そうはいくか!4万出す!くれ!」



そんなわけで、もう殴り合いの大ゲンカが始まった!!てんやわやだ。

そこで、というか、九龍城というのはよくできたもので、血の気が多いからこそすぐにルールも生まれた。



バンバン出てくる料理から、自分が持ち帰りたいやつをオークションで落とそう。

でも、お金の上乗せあいになると料理が冷めちゃうから、出せる額を一発でこっそり決めよう。

落とした人は、今度は配膳の手伝いね。



オッケー!













ゲーム2!!! 「ヤムヤムテーブル」



「やっはっはー。ようけ取れたでー」

「やったね父ちゃん、今夜はハンバーグだ!」

「ハンバーグはないけどなー」



そんなわけで、持ち帰った料理の数々をどっさり、テーブルに置いていきます。

氏族の中の各家庭でわけていきましょう。でも…。

「あーあっちのほうがおいしそう」

「そっちばっかりカニとってんじゃないわよ」



ここでも喧嘩です。



喧嘩は、ダメ!というわけで、各テーブルは公平に分けるように、それぞれの家族で順番を守るようにしました。

そんで、欲しいタイミングで、このテーブルをもらう!とやって、競りをするわけです。

公平ですね。

ただちょっと、部屋の端のほうが暗くて、何がおいてるかわからないテーブルが一個あります。

まあいいでしょう。

















ゲーム3!!!!「愛のスカール」



そうして、沢山の料理をおうちに持って帰ることができました。



「今日の晩飯は豪華だなーなんかあったのか?」

「ようしらんが、もらえるいうのでもらってきた」

(ほんまは金も結構つこてもた)

「お、おわっ、これおいしい!!!いくらでも食べれる!!!全部たべていい?」

「あかん!食べれる分だけ食べなさい!!」



というわけで、最後は家族でとりわけ…なのですが、美味しすぎて、もう話になりません。

もうできるだけ食べようと、みんな必死に取り合いです。

胃袋に収まるだけをちょうど食えたら、クリアー。

もし胃袋に収まらない、おなかバーストしてしまった場合は…



エンディング!!!



陽氏のポジティブ、陰氏のネガティブ、これらをあさましく腹いっぱい食べ過ぎた人たちは、これまでいなかった。

ポジ・ネガ。陰・陽。意地汚さと高貴なる美食パワー…。



そう、最後に勝利した、ギリギリお腹いっぱいで終えたプレイヤー以外も含むすべての住人は



なんと…



モンスターとなってしまいました!!!



「う、うわあああ、力が勝手にぃ~~!」



というわけで、各氏族、各区画、九龍城のあちこちからモンスター達があふれ出て、

九龍城は一気にサバイバルの世界です。

「この料理を作ったのは誰だ…!!あいつに聞かねば…!」

全モンスターがキャバレー小宇宙(ユニバース)に向かいます。



―――その少し前。



九龍の氏族達の中でも長老たちはあまりに美味しい料理に感謝感謝の嵐だ。



「こんなに元気になる料理食べたことがない!ありがとう陽さん、私たちはまだまだ九龍で頑張れるよ!

 いろんな所から早く出ろと圧力をかけられているが、こんな素晴らしい場所からは絶対ここは出ないからな!」



焦る春燕「えっ、なんか失敗しちゃった?みんなにここから出てもらわないと契約破棄になっちゃうよ!」



だが満足げに陽は言う。「誰のためでもなくこれほどの料理を作ったのは久々で満足した。

            御代はもう頂いた……それはおまえたちの笑顔だ」

春燕「おいおいお金は~~!!タダ働きは嫌~!!」



夕日をバックに去っていく陽氏ととぼとぼ歩く春燕。





・・・・・・。

・・・。



さて、その後の九龍城はどうなったか、だって?

モンスター達が大暴れの末、結局その原因はもぬけの殻。香港警察との死闘。中国軍とのバトル。

九龍城砦はそうして三日三晩の狂乱の末に崩壊したのであった。



陽氏は最初からこれを狙っていたのか。今となってはそれは全くわからない。

だが歴史は証明する。

かつてここには九龍城があったこと、一夜の狂乱の末に現在では普通の公園になっていることーー。

そしてその城塞跡公園の隅には「美味狂乱」と書かれた、一つの上海蟹を取り合う意地汚い姿を描いた像があるそうだ。





THE END





…。

……。

(九龍城の瓦礫がボコッと蹴飛ばして下から一人の女の子がでてくる。)

亞夢「……いや~何も終わってないでしょこれ……片付けはどうすんのよ~」