茶々屋

【扇舞】新感覚の和風ソリティア(複数人プレイ可)。全部出し切ると扇子が描かれます。数を使ったゲームが好きな方や、ナンプレなどの数理パズル好きに届けたい、やり込み要素満載のミッション型カードゲームです!【その他】「マカロン型HPスコアメーター」など、3Dプリンタ品も少し出します!

「鬼〇の刃」がもっと楽しくなる!和楽器の小ネタ
2025/11/19 12:01
ブログ

今回、和楽器をモチーフにしたボードゲーム 「扇舞」 を発売します。
このゲームには、和楽器歴10年の作者ならではの知識とこだわりが、細部までぎっしり詰まっています。

実は、和風アニメ好きの方には、ぜひ和楽器を知ってもらいたい思いがあります。
そこで今回は、人気アニメ「鬼〇の刃」に登場する 和楽器にまつわる小ネタ をご紹介。
作中の“おっ”と思う描写から、「そこは違う!」という突っ込みポイントまで幅広く語ります。
ちなみに、こういった和楽器の小ネタは『扇舞』の説明書にも盛り込んでいるので、そちらもぜひお楽しみください。


 

【よくできているところ】

● 雷の人の三味線の「指すり」(遊郭編 2話 15:02〜)

雷の人の左手の指に、布の指輪のようなものが付いていますが、
あれは 「指すり(ゆびすり)」 といって、三味線奏者が棹を上下にすばやく滑らせるための摩擦軽減アイテムです。

三味線は左手の爪が糸に触れたまま棹を握って動かすため、指すりがないと摩擦で引っかかってしまいます。
滑らかな演奏には欠かせない道具で、実は『扇舞』のカード裏のうさぎさんも指すりを付けています(拡大してよく見ないと分からないレベルで)。
 


● 撥(ばち)の正しい持ち方(遊郭編 2話 15:02〜)

三味線の撥は、しゃもじのような形をしていますが、
実際は 小指を後ろに引っ掛けるようにして持ちます。

このあたりの描写がきちんと描かれているのは、
しっかり観察されているか、実際に和楽器奏者の監修が入っているか…両方もあり得ると思います。


● 「かぞえうた」の選曲(柱稽古編 8話 9:07〜)

毬つきに使われている 実在の数え歌 が採用されているのも細かいポイント。
この歌、音階的にもどこか不気味で、場面の“嵐の前の静けさ”にぴったりなんですよね。
原作の頃から同じ歌が使われているので、作者さんの選曲と思われます。監修は入っているかもしれませんが。

ここで現代でも知られている毬付きの超代表曲「あんたがたどこさ」なんて選曲をしたら、
完全に雰囲気が崩壊していましたね(笑)


【間違っているところ】

● 雷の人が弾く音楽のジャンル(遊郭編 2話 13:55〜)

アニメで流れている音は 完全に“津軽三味線”
しかし津軽三味線は東北地方で、庶民に親しまれたジャンル。
遊郭やお座敷では本来演奏されません。

お座敷で使われるのは、もっとゆったりとした三味線で、擬音も「チントンシャン」。
漫画にも「べんべん!」という表記が書かれていますが、これは津軽三味線の音であり、お座敷とは別物です。

ちなみに津軽三味線の演奏が速いのは
「寒くて指がかじかむから速く動かした」という説もあるとか。
いや、そもそも寒い中であんなに動く時点で凄すぎます…。


● 音の柱が視覚化した譜面の文字(遊郭編 10話 15:19)

エフェクトで表示される「壱ー三ー七ー五ー為」という文字列。
カッコいいんですが… 「壱」だけ不正解 です。

箏(琴)の譜面の音は「一二三四五六七八九十斗為巾」と書き、
「為」は実在する正しいものです。
ちなみに「為」という音階が存在するのはお箏の譜面であり、三味線では存在しません。
なのでこの音の柱の人が完成した譜面は、お箏の譜面(あるいは合奏曲ならありえる…?少なくともお箏は入っている)です。

なぜ「壱」が混ざったのかというと、
楽譜の冒頭に書かれる調絃(※)名「壱越平調子(いちこつひらじょうし)」などで、「壱」が使われるため、
「使っていい文字」と誤解された可能性があります。

とはいえ音としての「壱」は存在しないので、譜面としては「一」が正しい表記です。

(※調絃:糸1本1本の音を決められた音階に合わせること。和楽器は曲によって、「この糸はレの音にして」「この糸は♭ミの音にして」がコロコロ変わります。
 なので、この曲がどういう音階の組み合わせで演奏されるかを伝えるために、楽譜の冒頭には必ず調絃名が書かれています。)


● 岩の柱の人の尺八の持ち方

原作のどこか(本編の合間にあるおまけページ)に出てくる尺八の持ち方が、左右逆になっています。

リコーダー含め、ほとんどの管楽器は共通の持ち方なので、これは単純にミスですね。


● 雷の人の指すり(漫画オマケ)

原作本編やアニメでは問題ないのですが、これまた、原作本編の合間にあるおまけ漫画の4コマでは指すりなしで演奏している場面があります。

同期3人+音の柱でバンドを組む話のワンシーンで、ここだけ指すりの描写が抜けています。


まとめ

こんな感じで、和楽器オタクな作者が作ったボードゲーム 『扇舞』 には、
“分かる人には分かる”マニアックな和楽器ネタが大量に仕込まれています。

もちろん、和楽器の知識がなくても、覚える必要もなく、十分楽しめます。
もっと深く味わいたい方のために、本物の説明書には扇舞で使われている和楽器ネタの解説も載せているので、ぜひそちらも読んでみてください。
 

▼ゲーム概要・説明書・試遊者の声
https://gamemarket.jp/game/186057

▼予約はこちらから
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeyvzCdWoK-1_YYCd-iEe6nGeO_LvlOXtXSxgSXFdalB4J9xA/viewform