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お金でお金を買うオークションをご存じですか?
2025/10/19 16:26
ブログ

お金でお金を買うオークションをご存じですか?

お金でお金を買うオークション、「ドル・オークション」は、イェール大学の数学者マーティン・シュービック(Martin Shubik 1926~2018)が考案したゲームです。

オークションの品はたった一つ、1ドル札1枚。
ルールは簡単です。
最も高い金額を提示した人が1ドルを手に入れますが、
2番目に高い金額を提示した人も自分の入札額を支払わなければなりません。
しかし、何も得られません。

最初はとても平和に始まります。

A:「1セント!」
B:「2セント!」

1ドルを手に入れる戦いは、まだ合理的です。


しかしAは、もう1セントを失いたくなくなり、こう言います。

「3セント!」

ここからは「利益を得るための競争」ではなく、
**「損を避けるための競争」**に変わります。
90セント、95セント、99セント…
ついには誰かが1ドルを超えて入札してしまいます。

「1ドル5セント!」
「1ドル10セント!」

もはや誰が勝っても損です。
それでも人々は「これまで使ったお金がもったいない」と思い、止まれません。
実験では3〜5ドルまで上がることもあります。

結局、オークショニアは笑い、参加者たちはお互いを見てため息をつきます。

ドル・オークションが示す真実

この単純なゲームは、私たちの中の**「損失回避本能(loss aversion)」**を示しています。
利益を得るためには合理的だった人々が、
「損をしたくない」という理由で次第に非合理的な行動を取るのです。

これは投資、交渉、人間関係、さらにはボードゲームにおいてもよく見られる現象です。

 

〈Loan & Bid〉は、この「ドル・オークションの心理戦」を
ボードゲームとして再解釈した作品です。
プレイヤーは限られた資金で美術品をオークションし、
利益と損失、欲と恐怖の間で絶えず悩むことになります。

「今回はやめる?それとももう少しだけ入札する?」
— たった一度の選択が勝敗を分けます。

美しいイラストとともに展開される
熾烈な心理戦、そして笑いと後悔の瞬間。
それがまさにRoan & Bidの魅力です。

ゲームマーケットで、
あなたの「合理的な非合理」を試してみてください。

 

 

 

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