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生きていけない。革命だ!
2022/10/23 12:05
ブログ

木星文庫は太陽系内の木星に位置するインディパブリッシャーです。
(そうなので恐れ入りますが日本語には慣れません...)
「果てしなく厚いガス雲の中、限りなく内密な楽しさ」を貪ります。
地球だとなかなか人気がなさそうなゲーム、図書、レコードなどを想像し、時には出版したりします。


「いいカモになった方がいいかも」は大富豪系ゲームであり、身分間の「クライミング」に対する笑劇でもあります。
世の中がそうであるように戦いでは頭数が重要ですが、頭数が同じなら組合の強弱は身分によって決まります。

 

 

まず、ゲームには計4種類の民草が登場します。
彼らは農民、職人、商人、革命家です。
被支配層である民草の力は最低です。
彼らは捕卒、衙前、使道に絶えず収奪されながらも、ある瞬間が来るのを黙々と待ちます。
まさに革命の瞬間です。


捕卒は朝鮮時代の地元警察です。
民草には恐れの対象ですが、目上の人には権力の道具に過ぎません。
しかし、彼らの手には武器が握られていることを忘れないでください。
今は権力を守るための武器ですが、いつかは別の用途に使われる瞬間が来るかもしれません。
それは御史出頭の時間ですね。


衙前は地方の首領である使道の下で虎の威を藉る狐する存在です。
(私が一番羨ましがる身分です。)
衙前が現れた以上、これらを防げる存在は使道だけです。
使道を手にしているなら、重大な決定を下さなければなりません。
衙前を制圧して権威を見せるのか、ひとまず見守るのか。


使道は地域社会を統治する首領です。
彼らは中央権力の監視が緩んだ隙に民を苛酷に収奪します。
ただし、高貴な使道は収奪する価値のない雑魚を扱わないので、常に2枚以上のカードが置かれた時だけ姿を現します。
時を逃せば登場する機会さえないのです。
どんな状況でも体面を守らなければならない支配層の哀歓というか。


暗行御史は、地方政治を監視するために王から送られた秘密監察官です。
朝鮮の恋愛小説「春香伝」の主人公である李夢龍は、
「金樽美酒千人血, 玉盤佳肴萬姓膏」という漢詩を詠み、自分の正体を現します。
御史は乞食に変装したまま収奪の証拠を収集し、時がくれば馬牌を取り出して使徒を審判します。
この時は捕卒が武器を取り出し、暗行御史の側に立って叫びます。
「暗行御史の出頭だ!」
使道の横暴に反感を抱いていた他の捕卒があれば、今が審判に参加する瞬間です。


カードが循環していると、ある瞬間(特に革命家の助けで)それぞれ異なる3人の民草が集まったりします。
もし使徒が現れたら、3人の民草は今まで抑えられていた恨みを噴出し、革命を起こします。
「生きていけない。革命だ!」
抑圧された他の民草も革命に参加する瞬間です。


「いいカモになった方がいいかも」はこのように王朝の混乱期という時代像を背景に、
身分間の揺れる権力関係を自然にシステムに反映しようとしたゲームです。
ポーカーの系図を知らなくても直観的に組合間の強弱を理解できるゲーム、
2-4人が適当な緊張感を感じられる大富豪系ゲームを作りたかったです。
特に最も弱いカードである民草と暗行御史が
特定の条件下で「革命」と「御史の出頭」で勝利するというコンセプトは、
激しいタイミング計算いを誘導する装置であり民衆の歴史に対するオマージュでもあります。

どんな試みでも、常に成功しているわけではありません。
ただし「探観アヒル」が既存の大富豪系とはどこか違うゲーム、
あるいは大富豪が何なのか全く知らなくても自然に理解できるゲームとして受け入れられると良いです。
カモになるのかカモにするのか?
たとえカモになったとしても大丈夫です。
共にする皆があなたの清廉さを称えるために惜しみない拍手を送りますから。

詳しい情報はリンクから確認できます。LINK
ルール説明書はリンクから確認できます。LINK
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