アソビツクース

株式会社ツクースのボードゲームレーベル「アソビツクース」です。
パーティゲーム、アクションバランスゲーム、アブストラクトゲームなど節操なく作っております。手作り率高め!

カンダタとゆかいな亡者たちー亡者コマができるまで
2019/10/30 19:02
ブログ

「カンダタとゆかいな亡者たち」は、亡者コマと呼ばれるコマを積み上げるゲームです。

上記の写真が亡者コマとなります。

この亡者コマが、この形になるまでにどんな変遷を経てきたかを見てください。



ミープルもどき時代

最初はこんな形でした。ミープルを角ばらせたような形です。

積み方も、今のように組むのではなく、ただ上へ上へと積むだけでした。

というのも、最初はただの2cm角のキューブ上の木ゴマを積むだけのゲームだったのです。

しかし、それではあまりにもおもしろくないと思い、斜めにも積めるようにしたかったので、この形となりました。

この写真ですと、厚みは10mmないですが、本当は20mmの立方体に近い形が求めていたものです。

レーザーカッターで20mmの厚さは切れず、こうなっています。

右の図が詳細図です。これを木工などをやっている製作所さんへ製作可能かどうか問い合わせてみたのですが、返事なしか、細かすぎて出来ないとのことでした。特に、へこみの部分を直角につくるのが難しいということでした。



こちらが、ちょっとバージョンアップしたもの。角丸になっています。

そして、2枚張り合わせて、立方体に近い形にしています。

でも、そんなにきっちり貼り合わせられるものではなく、どうしても段差が生じてしまいます。

20mm角という小さいコマでは、1mmもない段差とはいえ、積みゲームには致命的で採用できるものではなかったです。

このあと、別の機械をつかって製作してみたりもしたのですが、うまくいかず、オリジナルコマの製作はあきらめかけていました。「もう、オリジナルコマなんて作らなくてもいいじゃん、積み方で面白いゲームにしようよ」と。



 



「藪の中」人型時代

あきらめかけつつも、でも、あきらめ切れず。

そんなときに、落書きしていて生まれたのがこれです。

オインクゲームスさんの「藪の中」の人型コマによく似ていますが。

立方体にできないなら、平たくてもいいじゃない。これを組んで積み上げるゲームにしても面白いんじゃないかと。この形なら、いくらでもレーザーカッターで作れるし!



 



 







それで出来たのがこれ。

真ん中の穴が縦になっています。

積んでみたものが右側の写真です。

縦横の穴にしてみたものの、積み方にあまりバリエーションが出なかったです。



 



 



 



そこで真ん中の穴を斜めにしてみたところ、いい具合に傾き始めました。

ここで、今の亡者コマの原型ができたといえます。

ここから、細かい調整に入りました。2枚目の写真がそれです。

表面に数字が書いてありますが、これは穴の大きさを表しています。1つとして同じものはないです。



穴が小さすぎると、積むのが簡単になってしまってゲームが面白くないし、かといってユルユルすぎて難易度が上がりすぎても、これまた無理ゲーになってしまいます。いい具合にゆるくて、でも積めなくもないという線を狙って調整に調整を重ねました。



このころからテストプレイを人にしてもらうようになりまして、コマの種類が1つだと積んだ時に地味だという指摘を受けて、ほかの形も作りました。

それが、これらなのですが、積んでみると、形にバリエーションがありすぎて、コマが互いに干渉しすぎてしまうということに気が付きました。逆に積み方に制限がでてしまうので、これらは没となりました。



 



このとき唯一採用されたのが、一番下の横に長いコマでした。

今までの縦長を横にしたような大きさなので、コマ同士の干渉が少なかったのと、わきにつけた斜めのスリットがいい味を出したのが採用理由です。



 



 



 



そして、色もつけて完成したのが、北海道ボドゲ博で出展したプロトタイプ版です。ルールも今とはだいぶ違うのですが、おかげさまでご好評いただき、完売しました。(といっても、全部で9個しかなかったのですけれども)



このころ、テストプレイで「もう少し大きい方がいいんじゃない」との指摘も受けていました。

小さい方が、当然のことながら1枚の板から切り出せる量も多くて、小さいまま進めていたのですが、業者さんに頼むとなると、大きい方が寸法の誤差が少なくて済むと思い、一回り大きくする決断をしました。



左が現在の大きさのものです。右が以前のもので、幅が1.8cmほど。現在のものは2.7cmあります。大きくなった分、動きもダイナミックになりました。

これで、しばらくモックを作りルール調整がメインとなりました。



 



 



 



そして業者依頼へ

いよいよ量産のために業者さんに依頼です。ここで断られたら、自力で作らねばならず、夏がつぶれる・・・と思っていましたが、幸い引き受けていただけて、サンプルが送られてきました。それがこの写真。

形こそ、こちらの依頼通りだったのですが、厚みが足りない!

これは、モック版を作った板が「3mm」といって売っていたにも関わらず、3.2mmくらいはあったのも敗因でした。

それにしても、3mmはなかったんですけど。とにかく薄くて、穴から滑り落ちてしまい、難易度高すぎ!!というわけで、厚みを少し厚くしてもらうことにしました。

ついでに、色もこのピンクのは赤と区別がつきにくいので、変更。

ちなみに、このピンク、なぜか穴に入らなかったです。これだけ大きさがちょっと違うんです。なんで色が違うだけなのに????と思ったら、あとから聞いたら「色塗に失敗したから二度塗りした」ということでした・・・。そのまま送るな。



そして、できてきたのがこれです!

穴にちゃんと入るし、厚みもちょうどよいし。

モック版は染料で染めたもので、こちらは塗料ですので、ちょっと表面の滑り具合は違います。

製品版の方が、少し滑りやすいですが、粘り腰は同じくらいです。



ぐらぐら加減も、突然バランスが変わるところも、そしてなかなか倒れないところ、かと思えば突然崩れるところも再現されました!

ぜひ、この楽しいバランス感覚を味わってください!